アフレル ロボティクス エデュケーション デイ

開催報告

ご来場ありがとうございました!

日時 2017年7月16日(日)13:00~18:30(懇親会 ~20:00)
会場 品川シーズンテラス(JR品川駅港南口より徒歩6分)
参加者数 150名
主催 株式会社アフレル
協力 レゴエデュケーション

「Robotics Education Day 2017」へご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。「ロボティクスが拓くエンジニアリングの実践・教育」をテーマに、参加者の皆様と情熱あふれるアイデアや熱い想いを共有できた、有意義な夏の一日となりました。

会場では講演、事例紹介、展示、ワークショップ等、様々なコンテンツを通して多くの新たな出会いがあったことと思います。ぜひ今後もロボティクス、エンジニアリング、教育といったキーワードでつながりを持つことができれば幸いです。

ぜひまたこうしたセミナーを開催できるようアフレル一同邁進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

基調講演

「夢みたい」を現実に。
民間発月面探査チームHAKUTOの挑戦。

HAKUTO/ispace Electronics Engineer 河本新 氏

講演レポート

2017年12月、チームHAKUTOのローバーがいよいよ月へ飛ぶ。その名は「SORATO」(ソラト)。
Google Lunar XPRIZEのファイナリスト5チームのうち、最軽量4キロのSORATOは耐久性も同時に実現。日本中の夢と期待を載せた壮大なチャレンジが、今始まる。

*Google Lunar XPRIZEとは? http://lunar.xprize.org/

ミッションは次の三つ。(HAKUTOのWEBサイトより引用)

-月面に純民間開発ロボット探査機を着陸させること。
-着陸地点から500メートル以上移動すること。
-高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること

民間の力でこれらのミッションを達成することに意義があり、日本からは唯一HAKUTOが参加している。レースは最終局面を迎え、HAKUTOは「Team Indus」のロケットに相乗りし、宇宙へ旅立つことが決まっている。

*チームHAKUTOの成り立ちと強力なサポートメンバー

技術を担う東北大学の吉田研究室、宇宙資源開発を掲げるispace、そしてプロボノと呼ばれる専門性を持ったボランティアら、100名弱にも及ぶHAKUTOメンバー。プロボノとは、本業を持ちながら自らの専門性を活かして、ボランティア活動するメンバーを表し、HAKUTOでは宇宙に関わる技術的な要素だけでなく、プロモーションという面でも彼らの力が大いに発揮されている。

チームHAKUTOのメンバー(提供:HAKUTO)

最新ローバーSORATO/鳥取砂丘でのフィールド試験(提供:HAKUTO)

*SORATOに凝縮される日本の高い技術と技

世界最小のローバー「SORATO」は、外装にカーボンやエンジニアリングプラスチック「ULTEM(ウルテム)」(薄くしても強度が保たれ、熱にも強い特徴を持つ)を使用している。重量はロケットの打ち上げコストに直結するため、小型軽量化を目的として最先端の素材を利用し、総重量4キロという大人が小脇に抱えられるサイズまで軽く小さい筐体を実現した。
電子系、構造系、サーマル系(熱)など各分野の専門家が開発に携わる他、サポーティングカンパニーとして日本企業が協力している。

*HAKUTOのこれまでとこれから

2010年9月、日本での活動を開始し、2016年8月にはフライトモデルを発表。このスピード感は、プロボノの力なくしては考えられなかったと、河本氏は語る。現在はフライトモデル2号機が、熱真空試験、振動試験をクリアした段階で、鳥取県の砂丘でフィールド試験が実施される予定。その後、ロケットが打ち上げられるインドへ向けてSORATOを輸送。

教育事例

LEGO® MINDSTORMS® を利用した制御工学教育の事例紹介

舞鶴工業高等専門学校 川田昌克 教授

制御工学を学ぶ際にEV3を使うことの三つの利点やPID制御、モデルベース設計などの例をお話いただきました。また、当日は倒立振子の展示もあり、発表を聞いた上でデモを見ることで、さらに理解を深められました。

LEGO® Mindstorms® EV3と
リアルタイムOS(EV3RT)を活用した組込みシステム技術教育

名古屋大学大学院 情報科学研究科附属 組込みシステム研究センター 松原豊 助教

開発されているリアルタイムOS「EV3RT」の特徴を紹介いただいた他、宇宙機にも採用されたTOPPRES OSの説明もありました。また、大学の情報系学部向け教材enpit(エンピット)を授業で使った事例を、学生の感想を交えて説明されました。

農業工学分野及び小学生教育におけるレゴ®マインドストーム®EV3の
活用事例について

東京農業大学 地域環境科学部生産環境工学科 佐々木豊 教授

農業工学において機械やプログラミングに苦手意識を感じる学生を対象として、レゴマインドストームEV3を活用した基礎授業や実習、卒業研究への取り組みが説明されました。また、地域の子どもたち(小学生)に向けたオープンカレッジでの活用例も発表がありました。

臨床検査技師養成課程における自動化システム理解のための
レゴ® マインドストーム®を用いたロボット作成

神戸常盤大学 保健科学部 医療検査学科 関雅幸 講師

生物系、化学系の広範囲に渡る知識が必要な臨床検査技師は、自動化された分析、染色装置等を使用する場面が多くなっているそうです。卒業研究でセンサーを使用したロボットの製作と制御プログラミングに取り組むことで、自動分析装置の理解を促す実践が発表されました。

マインドストームを活用した女子エンジニア育成教育の試み

芝浦工業大学 デザイン工学部 野田夏子 准教授

工学系を目指す女子を増やすことを目指して、女子大学生が女子中高生にマインドストームを使ってロボットプログラミングを教える「育てて育つ」PBLを実践されました。その取り組みの成果と学生らの反応、今後の課題についてお話いただきました。

特別講演

Deep Learningのロボティクスへの応用

株式会社Preferred Networks チーフアーキテクト 奥田遼介 氏

講演レポート

*マインドストームとの関わり

中学生の時にRCXを入手、大学院生の頃、NXTでETロボコンに参加。その時に製作した自動パラメータ調整装置は、上部にケーブルを渡し、走行体を吊り下げた状態で動作させ、あるところまで進んで倒れた走行体を自動的に吊り上げて元の位置まで戻す動きを繰り返すもの。ETロボコン2012チャンピオンシップ大会ではTOPPERS賞を受賞。

*世界最大のエレクトロニクス技術の展示会「CES」でのロボットカーデモ

2015年6月、Interopで発表したデモをさらに改良し、2016年1月、米国ラスベガスで開催された世界最大の展示会「CES」において、深層学習を活用した自動走行ロボットカーのデモを実施した。

一般道を模したステージに4つの障害物(円柱)を設置し交差点を表現。同時に複数台のロボットカーを走行させ、ぶつからないように自動運転する内容である。あえて1台を人間がリモコン運転し、ぶつかりそうな状況を作り出すことで、他の車はさらにぶつからない行動を学習する。

人工知能による自動運転は取り組みが進んでいるが、市街地の道路状況や交通環境は非常に複雑で、学習により適切な行動を獲得することが欠かせない。

*デモにレゴマインドストームを用いる利点

深層学習でどんなことが実現できるのか、視覚に訴えるデモが可能。言葉で説明しても伝わりにくいことが、動くデモは圧倒的なインパクトがあり伝わりやすくなる。また、ラジコンカーで製作したものと比較すると、レゴマインドストームが最も安定して動作し、製作にかかる期間も短く、同じ型(製品)をまとまった数入手できることも助けとなった。

*産業用ロボットへの技術適用を試すAmazon Picking Challenge

棚に置かれた様々な形状(幅、高さ、奥行き、凹凸など)の物品(39種類)の中で、指定された12ケの物を15分以内に集めて、その速さを競うコンテスト「Amazon Picking Challenge」(https://www.amazonrobotics.com/#/roboticschallenge)に参加した。39種類の物品は、表面に光沢のあるものや透明あるいはメッシュ状の容器、ぬいぐるみのように把持する際、外形が変化するもの、洗剤のように内容物が液体で重さのバランスが変化するものなど多様であった。参加した16チームの全てが深層学習を利用。

棚の手前側、奥側で異なる物品が格納されている場合も、画像認識によりピッキングが可能な位置を推定し、いったん手前を動かして奥の物品を取り出すことができるようになった。結果として、Pickタスク(棚から取り出す)で2位(スコアは1位と同じ)。ピッキングや仕分けといった作業はまだまだ人間の方が速いが、決まった動きの繰り返しが多い産業用ロボットでは学習を活用することで応用分野が広がるだろう。

企業事例

世界を変えるサイボーグ技術

株式会社メルティンMMI 取締役CEO 粕谷昌宏氏

身体的制約を突破することを目標に掲げサイボーグ技術を開発するベンチャー企業であり、圧倒的な技術を有する生体信号の処理とロボットコントロールについて解説されました。また、起業を実現するには、自らの熱意の根本を見極め、活動を発信する、周囲に見てもらうことが大事というコメントもありました。

ファイル転送の「HULFT」とIoTを“つなぐ”
LEGO マインドストームEV3開発体験記

株式会社セゾン情報システムズ HULFT事業部マーケティング部 デジタルマーケティング課 那須俊博氏

世界43ケ国で使用されているファイル転送ツール「HULFT」にIoTを組み合わせることで、データ連携や品質検査、故障予測などでも活用されています。今回は、センサーから収集した情報をクラウドに集めて可視化するシステムを分かりやすく伝えるために、通信可能なEV3を用いて製作した工場の生産ラインデモが紹介されました。

研究・教育におけるmyRIO活用事例

日本ナショナルインスツルメンツ株式会社 アカデミック事業部 アカデミック技術営業マネージャー 渡辺恵智氏

計測・制御に関わるソフトウェア、ハードウェア、システムを提供する日本ナショナルインスツルメンツの開発環境LabVIEWは、組込みコントローラmyRIOを制御できます。今回は、myRIOの活用例として、ロボットや自動化システム、コンテストやシミュレータ等の例が紹介されました。

マスワークスの実践教育

マスワークス トレーニングエンジニア 照井雄佳氏

自動車業界に向けたMBD(モデルベースドデベロップメント)エンジニア教育の実践例を紹介されました。レゴ マインストーム EV3を利用し、モデルベース開発とシミュレーションのトレーニングを展開しているとのお話でした。

パネルディスカッション

「ロボコン・プロコンによる人材育成の未来」

パネリスト

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)アドバイザー
ロボカップ日本委員会専務理事
岡田浩之 氏

独立行政法人国立高等専門学校機構東京工業高等専門学校情報工学科
山下晃弘 准教授

株式会社日立産業制御ソリューションズ
組込みエンジニアリング事業部制御システム本部第三設計部
松尾正 氏

モデレーター

株式会社アフレル 代表取締役社長
小林靖英

展示

展示エリアには、講演や事例発表で紹介されたデモ機や、レゴ マインドストームを使用したユニークな動く!作品たちが並びました。

株式会社メルティンMMI
「生体信号を使ったロボットハンドの制御」

生体信号を識別する独自のアルゴリズムにより、わずか3つのセンサでロボットハンドを制御。多自由度・高握力を両立する世界唯一の機構を披露いただきました。粕谷氏の腕には「筋電センサ」が!ロボットハンドと握手?

株式会社セゾン情報システムズ
「HULFT IoTデモ機」

工場の生産ラインを表現。カラーボールを完成品、白いボールを不良品として扱い、コンベアに設置した色センサーで識別させています。他にもセンサーを設置して、生産物や工場内のデータを収集しHULFT IoTを使ってデータをクラウド上のシステムに連携しています。

  • マスワークス

    「EV3way, EV3bikeを用いた
    簡単に実装できるMBD環境」

  • 御茶の水ロボットクラブ

    「MindCub3r」

  • 舞鶴工業高等専門学校 川田教授

    「LEGO MINDSTORMS により開発した制御工学用実験装置」

  • 名古屋大学大学院情報学研究科 松原先生

    「LEGO Mindstorms EV3とリアルタイムOS(EV3RT)を活用した情報系学部向け教育教材」

  • 東谷 賢一氏

    「チンアナゴ」

  • 仲木 竜氏

    「アスパラガス自動皮むき機(改)」

  • Kohsuke’sLab

    「EV3でヘンな装置を作ってみた」

  • (有)榊製作所

    「1000t級クローラクレーン」

ロボコン体験

  • ET ロボコン

  • WRO(World Robot Olympiad)ARC部門

  • 全国高等専門学校プログラミングコンテスト

  • 高専生向けmyRIO組込システム開発コンテスト

  • World Robot Summit(WRS)

教材体験

教育版レゴ®マインドストーム®EV3、TETRIX、Virtual Robotics Toolkit、レゴ®WeDo2.0、3Dプリンターといった教材を実際にさわれる体験コーナー。

ワークショップ

レゴ®マインドストーム®やmyRIOを体験できるワークショップが4部構成で行われ、多くの方にご参加いただきました。

懇親会

日も暮れてビールで乾杯!懇親会ではスピーカーの皆さんにより深いお話をお聞きしたり、普段なかなかお会いする機会のない方同士が情報交換をしたりと、昼間とは違った雰囲気で交流を深める場となりました。

またみなさまとお会いできることを楽しみにしております。
Robotics Education Day 2017へのご参加、ご協力、ありがとうございました!
アフレル一同

メディア掲載実績

◆マイナビニュース(2017/9/4)

ロボコン・プロコンが日本のエンジニア教育に最適なワケ- Robotics Education Day 2017
http://news.mynavi.jp/kikaku/2017/09/04/002/

◆ビジネス+IT(2017/8/28)

PFN 奥田遼介氏が解説、ディープラーニングだけでなく「強化学習」も活用する理由
http://www.sbbit.jp/article/cont1/33965

◆ビジネス+IT(2017/8/21)

可能性無限大の「3本目の手」
「サイボーグ技術」が現実に、メルティンMMIは「身体的な制約」を突破する
http://www.sbbit.jp/article/cont1/33938

◆ビジネス+IT(2017/8/16)

人類初の宇宙レース!HAKUTOが「日本でなければ実現できなかった」と語る理由
http://www.sbbit.jp/article/cont1/33921

リンク

Robotics Education Day 2017

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