提供:WRO Japan
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2019年11月8日~10日の三日間、WRO2019国際大会がハンガリーのジェールにて開催されました。
2019年の大会テーマは「SMART Cities」で、世界74ヶ国から423チームが参加しました。会場では様々な言語が飛び交い、時折歓声が湧き上がる中、熱戦が繰り広げられました。日本からは小学生から大学生まで17チームが参加し、競技にチャレンジしました。
ここでは、競技をはじめとした大会の様子や競技結果をレポートします。
開催地はハンガリーの北西部にある都市、ジェールです。首都ブダペストと隣国オーストリアのウィーンの間に位置し、旧市街のバロック建築が美しい「川の町」とも呼ばれています。会場は、たくさんのスポーツ競技会場として使われているオリンピックスポーツパークでした。会場には、大会を象徴するモニュメントやイメージキャラクターの着ぐるみ、フォトスポットなどで演出され、いよいよ開会!と気持ちが高まります。
大会初日に開会式が行われ、選手やコーチ、それを見守る保護者など、会場を埋め尽くす人で熱気に溢れていました。開会式では、参加国・地域名が一つずつ呼ばれ、各国の選手が国旗を持ってステージへ上がります。その度に大きな歓声や拍手が起こり、会場の熱気もますます高まります。そのほか、参加選手が大会に参加する意気込みや想いを話したり、開催国ハンガリーの舞踊を観たりと、賑やかな雰囲気の中で行われました。
レギュラーカテゴリーでは小・中・高の3部門で競技が行われます。一つの会場に全員が揃い、会場は大変な盛り上がりでした。スマートシティになぞらえた競技コースで、与えられたミッションをいかに速く、正確にクリアするかを競います。日本からは9チーム(小・中・高それぞれ3チーム)が出場しました。競技は二日間行われ、一日目は当日に新たなルールが追加される「サプライズルール」、二日目は前日と全く異なるルールに挑戦する「セカンドデイチャレンジ」が適用され、時間内で攻略に挑みます。今年から始まった「セカンドデイチャレンジ」では、一からプログラムを考えるため、難易度もあがります。競技順位は、一日目のベストスコアと二日目のベストスコアを合計したスコアで決まります。名前の通り、課題は選手たちにとってチャレンジな内容であり、二日目には順位が入れ替わるなどさらなる盛り上がりを見せていました。
オープンカテゴリーは、毎年のテーマに対してロボットを使ったソリューションを企画・開発・発表する競技です。今年のテーマは「SMART Cities(スマートシティ)」。日本からは3チーム(小・中・高それぞれ1チーム)が出場しました。会場は小・中・高の3部門のエリアに分かれ、チームごとに指定されたサイズで、開発したロボットや掲示物等を展示します。4回のプレゼンテーションとロボットデモンストレーション、質疑応答は全て英語で行われ、審査の総合得点で順位が決定されます。そのため、選手たちは内容を伝えるために展示方法を考えたり、フリップを使って発表したり、テーマに沿った衣装を身に着けたりと様々な工夫を凝らしていました。
ARCは、アルミフレームでロボットを構築し、課題をクリアする競技です。17歳以上25歳以下の学生が対象で、レギュラーカテゴリーよりも難易度が高く、複雑な制御が求められます。今回は、コース内に置かれたボックス上に乗っているキューブを識別し、ルールに従ってキューブを別のボックス上に移動し高得点を狙います。競技は二日間行われ、一日目の予選ラウンド、二日目の最終ラウンドを経て優勝チームが決まります。日本からは3チームが出場しました。
WROフットボールは海外を中心に広がっている競技です。スポーツのサッカー同様のルールで、 2台のロボットが1チームとなり、専用ボールを用いて対戦し、多く得点したチームが勝ちます。競技は二日間行われ、一日目の上位16チームが二日目のトーナメントで戦い、優勝チームを決定します。日本からは2チームが出場しました。トーナメントが進むにつれ、競技テーブルの周りには選手や審判、大勢の観客が集まり賑わいを見せていました。
大会二日目の夜には、「フレンドシップナイト」が開催されました。「フレンドシップナイト」とは、開催国が催しを考え、各国の子どもたちが交流する場です。当日は、開会式が行われた会場に各国の選手が集い、参加者同士でチームをつくりゲームを楽しみました。競技中の緊張した雰囲気とは変わって、子どもたちは世界中の仲間と交流を深めていました。
三日間の大会が終了し、子どもたちの充実した表情や笑顔が見られた閉会式。表彰式では各カテゴリーの3位までがステージにて表彰されます。今年は、ARC部門で日本代表チームが銀メダルを獲得し、その他4チームが入賞を果たしました!おめでとうございます!
表彰式の後、2020年の国際大会がカナダのモントリオールで開催されるため、WROハンガリーからWROカナダへ旗の授与が行われました。来年のテーマは「Climate Squad」。カナダでも沢山の日本チームの活躍がみられることを楽しみにしています。
オープンカテゴリーが行われている会場内に、スポンサー企業のブースが設置されています。各ブースには、企業の製品が用意されており、来場者が直接触ったり動かしてみたりして、体験していました。
会場で見られた特徴的な取り組みをご紹介します。
*まるで保安検査?!セキュリティ対策
会場入り口には、空港のようにセキュリティゲートがあり、手荷物検査やボディチェックが行われていました。そのほか、来場者全員にリストバンドを配布し、競技会場に入るにはリストバンドによるチェックが義務化され、より安全な会場づくりが図られていました。
*手元で競技観覧、ライブストリーミング
会場は広大で、観覧場所は競技テーブルから離れていました。そのため、ライブストリーミングが導入されており、来場者は競技テーブルごとに設置されたカメラの映像をパソコンやスマートフォンから見ることができます。期間中は、会場の至るところでパソコンを開いて見ている人がいました。
チーム名「AMICUS NKR」
沖縄アミークスインターナショナル小学校 (沖縄県)
チーム名「AR+」
豊中市立第九中学校、豊中市立第二中学校 (大阪府)
チーム名「KAIT Specialists」
神奈川工科大学(神奈川県)
チーム名「帝京ロボラボ」
帝京大学(栃木県)
【一部写真提供元:WRO Japan】