今回は特殊なタッチセンサーを作ってみたいと思います。3個のタクトスイッチを1つのセンサーで読み取ることができます。このセンサーはラージハブ（ハブ）側からは「きょりセンサー」として認識されます。
タクトスイッチには1～3の番号を割り当てています。 スイッチが押されるとその番号（1～3）をハブに伝えます。 スイッチが押されていない場合は「0」をハブに伝えます。

前回、作った回路。これをそのまま使います。

追加する部品です。
これらの部品は秋月電子通商などで売ってます。

自作センサーの回路図です。
Raspberry Pi Picoにある「GP～」と書かれた端子がGPIO（汎用的なポート）です。この空いている端子にスイッチを割り当てます。 今回は次のように割り当ててみました。
GP18：タクトスイッチ1
GP19：タクトスイッチ2
GP20：タクトスイッチ3

自作センサーの回路が完成しました。
プログラムを書き込むため、Raspberry Pi Picoをパソコン（PC）のUSBポートに接続します。 接続するさいには、念のためラージハブのコネクタを外しておきましょう。

Thonnyの起動時に「Device is busy or does not respond.（デバイスは忙しい。または返事をしない）」というエラーが表示される場合があります。これはRaspberry Pi Pico内部でプログラム(main.py)が実行しっぱなしである時に起こる現象です。もし、Ctrl+Cキーを押しても改善しないという場合、次の方法で対処しましょう。

(1)キーボードのCtrl+Dキーを押す（Send EOF/Soft reboot）。この時点では何も起こりません

(2)USBケーブルを挿し直す。すると、Shell画面に通信エラーが表示されます。

(3)「Stop/Restart backend」をメニュー選択。またはCtrl+F2を押す。これでプログラムが停止して、Shell画面にプロンプトが表示されます。

(4)この状態で再起動すると、またmain.pyが実行されてしまうので、次の手順でmain.pyを削除します。「ファイル - Save as」をメニュー選択。→ファイルの保存先は「Raspberry Pi Pico」を選択。→カーソルを「main.py」に合わせて、右クリックして、「Delete」を選択します。
これで、Raspberry Pi Picoが元の状態に戻ります。

タクトスイッチの動作をテストするプログラム(pico_button.py)です。
実行してタクトスイッチを押すと、Shell画面に文字が表示されます。

自作センサーのプログラム(diydistsensor_ex1.py)を書き込みます。このプログラムは「diydistsensor.py」にタクトスイッチを読み取る機能を追加したものです。ページ下にあるリンクからダウンロードできます。
Thonnyを使ってファイルを開いたら、「ファイル - Save as...」をメニュー選択。→ファイルの保存先に「Raspberry Pi Pico」を選択。→ファイル名を「main.py」として保存します。書き込みが終わったら、PCとの接続を切り離します。これで、Raspberry Pi Picoの起動時にプログラムが自動的に実行されます。

なお、「Device is busy～」の対策として、Ctrl+Cキーを押したらプログラムを終了する機能を追加しておきました。

動作を確認してみましょう。 自作センサーをハブに接続して、ハブの電源をオンにします。すると、Raspberry Pi Pico内部でmain.pyが実行されます。 ハブ側は「きょりセンサーの値をライトマトリクスに表示するプログラム」を実行します。
写真は実行中の様子です。たとえば、3番のスイッチを押した場合、「3」と表示されます。スイッチが押されていない場合は「0」と表示されます。GPIO端子は大量に余っていますので、改造すればタクトスイッチを20個くらい取り付けることも可能です。

今回作成したプログラム（Thonny用）