前回はRaspberry Pi Pico（ラズパイ）とラージハブ（ハブ）との接続が完了しました。これを「DIY Distance Sensor」と呼んでいます。
今回はラズパイ側のプログラムを作ります。

接続の状態はこうなります。
PC（パソコン）とラズパイはUSBケーブルで接続したまま使います。ダミー（にせ）の測定値を返します。

将来的には、このようにVCC（電源の端子）をつないで、PCが無くても動くようにしたいと思います。 さらにラズパイには何かのセンサーを付けて、本当の測定値を送れるようにします。
これを作るにはいくつか技術的なハードルがあるので、次回に行いたいと思います。 今回はPCからラズパイの電源を供給します。

https://github.com/Afrel-SPIKE-Prime-tec/diydistsensor_pico
メニューから「Download ZIP」を選択して、ダウンロードします。 ダウンロードが完了したら、ZIPファイルから「diydistsensor.py」というファイルを取り出します。

この「DIY Distance Sensor」はハブから見ると「きょりセンサー」として認識されます。つまり、「にせもの」のきょりセンサーです。
こちらは「本物」のきょりセンサーをつないだプログラムの例です。たとえば、きょりセンサーが「6cm」と測定した場合、ハブのLEDに「6」と表示されます。

プログラムを実行します。 ラズパイとハブを接続します。ハブの電源を入れておきます。
パソコン上で「Thonny」を立ち上げて、「diydistsensor.py」を開きます。
そして、「F5」キーを押す、もしくは「実行→Run～」を選択します。この時、ラズパイをPCに接続した状態にしておきます。インタプリタを「Raspberry Pi Pico」に設定しておきましょう。

Shell（シェル）画面にプログラムの実行結果が表示されます。メッセージの意味は次の通りです。
・「start」は「ラズパイ側のプログラムの実行開始」。
・「detect」は「ハブからの接続開始の信号を受信」。
・「data error」は「接続失敗」。このメッセージは数回出る可能性があります。
・「connect」は「ハブとの接続成功」。
「connect」と表示されたら成功です。表示されない場合には、接続が間違っていないか確認してみましょう。

ラズパイ側のプログラムは次のような処理を行っています。かなり専門的な内容なので、難しいと思った場合は読み飛ばしてもかまいません。

(処理1)ハブがラズパイを探します。20msの周期でハブ→ラズパイへ「0xF0」を送信します。通信方式はUART。ボーレートは2400bpsです。これをラズパイ側が一定回数受信できたら、「ハブが存在する」と判断します。「detect」と表示して、(2)に進みます。

実行中の様子です。
LEDに「1」～「9」の値が表示されます。値は「1」→「2」→「3」のように増えていきます。この値はダミーの「きょり」です。
たまに値が1つ飛んでしまいことがあります。これは通信のタイミングと表示のタイミングがズレているために起きる現象だと思います。今のところは、解決策が見つかりません。
現時点では、まだまだ使い勝手が良くないと思いますので、次回には改善したいと思います。