2024年11月11日

002-2.メカメカ入門-第3回「自由に曲がれる車作ろう - その1」

さあ、夏だ。夏休みだ!
もっとも、私には関係ないけどね。(;_;)

まず、お知らせ。
今年の夏休みは山梨県にある「山梨県立博物館」で「特別展 科学館でLEg GOdt ! レゴ エデュケーション」という展示会が開かれる。(くわしくはコチラ
MINDSTORMSやレゴテクニックの作品を見たり、その場で作れちゃったり、火星救出大作戦ができちゃったり‥という盛りだくさんな展示会だ。
私が作った作品も5つ展示される予定。それぞれ「MINDSTORMS NXT」の箱に入っている部品だけで作った力作だ。
近くに住んでいる人がいたら、ぜひぜひおでかけを。もちろん遠くからでも大カンゲイだ。

さて、今回は車。それも左右に自由に曲がれる車を作る。
曲がる方法にはいろいろあるけど、今回はどちらかというとシンプルなしくみのものを紹介する。(文/五十川芳仁)

まずはこれ。実に簡単。ちゃちゃっと作れちゃう車だ。

ケーブルをはずすと見えるのは、前輪。といっても車輪じゃない。角の丸い部品を前輪にして、
自由に「すべる」というもの。
じゅうたんのようなところではうまく走れないけど、フローリングの床や、表面のきれいな紙の上なら問題なしだ。

ここからはNXT本体を外した写真。ね。シンプルな作りでしょ。モーターが直接タイヤを回す。
あ、プログラムはあなたにおまかせするよ。
2つのモーターを、同じパワーで回せばまっすぐ前進(またはバック)。左右のモーターのでパワーを変えるか、片方を止めれば曲がる。左右のモーターを反対方向に回せば、車がその場で回転する。
いろいろためしてみて!

次は、もう少ししっかりしていて、もう少しカッコよくて、もう少し応用がきく車を作ろう。

ケーブルを外す。前輪が見えてきた。こんどの前輪はちゃんとした車輪だ。自由な方向に向きが変わるようにできている。

次にNXT本体を外す。

うら側から見るとこう。

前輪部分のアップ。

さて、「応用がきく」のは、この部分。
この例では、モーターに8歯ギアを付け、24歯ギアを回している。つまり、モーターの回転スピードを1/3に減らし、3倍のパワーを得ている。
この2つのギアを交換するだけで、簡単に車のパワーとスピードを調節できる。

たとえば、この組み合わせにすれば、モーターと同じスピード、パワーが得られる。

こうすれば、スピード3倍、パワー1/3となる。

このギアの組み合わせなら、スピードと3/5倍、パワーを5/3倍。

このギアの組み合わせなら、スピードと5/3倍、パワーを3/5倍だ。
これだけ自由な組み合わせができれば、地面のでこぼこや、ロボットの目的に応じて、スピード、パワーを自在にコントロールできるね。
いろいろためしてみよう。

最後は、2モーターのうち、1つのモーターで車を走らせ、もう1つのモーターでハンドル(ステアリング)を切る車。
シンプルに、方向を決める前輪は1輪。

後輪(大きなタイヤがついているモーター)はAポートに接続。前輪のステアリングを動かすモーターはBポートに接続している。

ケーブルを外す。

NXT本体を外す。

各部のアップ。

前輪は左右に回りすぎないように、このようなストッパーを付けてある。

この車を動かすプログラム例。2秒おきに、右へ左へと蛇行(だこう)運転をする。
プログラムのポイントは、ステアリングを動かすBポートのモーターのパワーを小さくしておくこと、
こうしておかないと、上のストッパーで回転が制限されたとき、モーターに強い負担がかかる。
(あるいは作品がバラバラになる)

Aポートのモーターの設定は、回転方向を下向きに変えるだけ。

Bポートのモーターの設定はこんな感じ。ループ内の2つのBポートの設定は回転方向がちがうだけ。

さて、今回はここまで。

来月は、もう少し「本当の自動車」っぽい作品に挑戦しようと思う。じゃあ、また。

当ブログの内容は、弊社製品の活用に関する参考情報として提供しております。
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