2024年11月11日

002-2.メカメカ入門-第2回「ウォームギアと回転軸の方向転換」

梅雨だね。ムシムシ、やだね~。マイスター五十川(いそがわ)です。
「メカメカ入門」の2回目。今回も、前回に引き続きメカニズムの基本ともいえる「ギア」のお話。
では、はじめましょ。(文/五十川芳仁)

まず、プログラム。前回の最後に作ったプログラムをそのまま使う。
ポートは[B]、方向は下向き、持続時間は5秒。

最初の車はコレ。

さっそく写真を見ながら作ってみよう。こちらはモーターと後輪部分。

こちらは、NXT本体と前輪部分。

2つを合体すると完成だ。

さっそくRUNを押して、走らせてみよう。

どう? ‥‥ むちゃくちゃ遅いでしょ。
モーターの回転スピードに比べると、実に24分の1になっている。
スピードが24分の1になっているということは、パワーは24倍になっているということ。
ただでさえ、しっかり馬力のあるNXTのモーターのパワーを、さらに24倍にもアップしてるんだ。
(もっとも、この車の場合、シャーシ(ボディ)がしっかりしていないから、パワーを出す前に分解しちゃうけど‥)

そのキモとなる部品がこの部品。「ウォームギア」というギア。
ウォームは「worm」、つまりミミズみたいな虫のこと。ちょっと形が似ているからこういう名前になったんだ。

で、このウォームギアの場合、1回転すると1歯分ミゾが進む。だからギア比を計算するときは「1歯」として考える。
この車の場合、このウォームギアの相手となっているのは24歯ギア。だから24分の1のスピード、24倍のパワーになってるんだね。

ポイント:ウォームギアは1歯ギアとして考える

それから、ウォームギアで普通のギアを回すことはできるけど、普通のギアでウォームギアを回すことはできないということは覚えておいて欲しい。

もう一つ、確認して欲しいこと。ウォームギアと普通のギアを組み合わせると、あたり前だけど回転軸の方向が変わる。
逆に回転軸の方向を変えたいときは、ウォームギアを使えばOKということ。
でも、いつもいつも、やたらパワーアップするウォームギアを使うわけにはいかない。

そこで出番となるのが、これらのギア。

いくつか作例を見てみよう。

これは、モーターの回転軸を90度曲げて、前向きの回転にしている。
こういったギアの組み合わせの場合も、2つのギアの歯数の比でスピードとパワーが決まる。
この場合、24歯のギア(王冠のようだから「クラウンギア」と呼ぶ)で16歯のギアを回している。
だから、ギア比は24:16。イコール3:2だから、スピードは1.5倍、パワーは0.666‥倍となる。

次はコレ。
変わった形の4歯ギア。両方とも同じ歯数だから、スピードもパワーも変化なしだね。

今度は、回転軸を上向きにした例。
このタイプのギアは、普通に並べて組み合わせることも、90度曲げて組み合わせることもできるから便利だ。
歯数は、20歯で12歯のギアを回しているから、20:12 = 5:3。スピードが1.66‥(5/3)倍。
パワーが0.6倍になる。

大会に参加するロボットを作るときや、何かおもしろい作品を作るとき、ほとんどの場合、回転軸の向きを変える必要が出てくる。
だから、上のような作例を実際に作って、そのテクニックを「身につけておく」ことが、とても大切だと思うゾ。

さて、最後にウォームギアを使った「もうちょっとカッコ良くて、しっかりした車」を紹介しておく。
上で説明した90度、回転軸を変えるテクニックも使っている。
少し難しいかもしれないけど、写真をいっぱい載せるので、がんばって作ってみてくれ。

NXTを外すとこうなる。

タイヤも外してみる。

ギア、楽しんでくれてるかな? ギアの基本のお勉強は今回まで。

来月からは、もう少し進んだテクニックを伝授していこうと思う。期待して待っててね。

当ブログの内容は、弊社製品の活用に関する参考情報として提供しております。
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