2024年10月29日
001-1.ロボットの基礎-第4回「歩行ロボットを作る」
今回はレゴマインドストームNXT(以下、NXTと呼びます)を使って歩行ロボットを作ってみたいと思います。(文/松原拓也)
◆ クラン君
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コの字の足を交互に動かすという、原始的な歩行機構のロボットです。 モーターを2個使い、コントローラ側のモーターを回すとロボットが歩き出します。
「クラン君」と名付けました。
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ではさっそく作ってみましょう。
写真のパーツを用意してください。一般用と教育用のNXTではそれぞれ入っていない部品もあります。その場合には似た部品を使って調節してください。
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モーターにペグを挿し、アームを取り付けます。
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16歯ギヤ4枚用意して、左右に2枚ずつ取り付けます。
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モーターにさらにL字型のアームを取り付けます。
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長さ15のアームを2本使って、足を作ります。
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足を取り付けて完成です。顔は好みで取り付けてください。
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側面から見た様子です。
足は片方が下がっている時、もう片方は上がっている必要があります。
ギヤの回転位置をうまく調節してください。
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NXT用のケーブルは固くて、扱いづらいです。
そこで、「変換ケーブル」を図のように2本組み合わせて、やわらかめのケーブルを作ってください。
ただし、変換ケーブルは教育用NXTにしか付いてきません(バラ売りしているお店もあるようです)。
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もう一つモーターを用意して、ケーブルでロボットと接続します。
モーターの回転軸にはタイヤを付けます。
そして、タイヤの部分を回すとロボットが動きます。
◆ クラン君の改造
クラン君の改造方法を紹介します。自分なりに工夫して、性能を上げてみましょう。
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写真は16歯ギヤと16歯ギヤだった組み合わせを、8歯ギヤと40歯ギヤの組み合わせに変更した様子です。
こうするとロボットの歩きがとても遅くなります。動きが遅くなることで重心が安定して、転びにくくなります。
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その他、ロボットを転びにくくさせるための改良です。
写真の黄色いパーツが「ハーフブッシュ」という部品です。
幅が短いため、これによってシャフトを一寸長くなって、倒れにくくさせることができます。
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足の動きを図にしてみました。
モーターの回転運動を往復運動に変換しています。足先は円を描くように動きますので、それによって地面を蹴って進むことができます。
◆ クラン君Lサイズ
今までは「電気」と「メカ」だけの話でしたが、ここに「ソフト」の要素も足してみたいと思います。つまりコンピュータを搭載させてみます。
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クラン君にインテリジェントブロックを載せてみたいと思います。
ただし、このインテリジェントブロックは重く、そのままでは身体を支えることができません。
結果的に足の大きなロボットになってしまいますので、ここでは「Lサイズ」と呼ぶことにします。
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まず、足を組み立てます。
写真はロボットにとって左足に相当します。長さ15のアームを4本使って、できるだけ丈夫に組み合わせます。
足底に使っているシャフトは長さ10です。
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写真は右足です。
左足との違いは青いペグとシャフトの出ている方向だけです。
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モーターの回転軸にアームとペグを取り付けます。
白いペグは左右で高さが逆になるように取り付けます。
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モーターの反対側にH型のペグを取り付けます。
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インテリジェントブロックと各パーツを組み合わせます。
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ケーブルを使い、モーターをポートBに接続しました。
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以上でクラン君Lサイズの完成です。
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側面の写真です。
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後側の写真です。
組み立ての参考に使ってください。
◆ プログラミング
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◆写真はBポートに接続したモーターを10秒間だけ回すというプログラムです。
プログラミングにはROBOLAB2.9を使いました。
【Download】プログラム(ROBOLAB2.9)
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プログラムを実行すると、ロボットが歩きます。10秒前進してから、停止すれば成功です。
【Movie】動作中の様子
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