プログラミングやロボットに触れ子どもたちに学ぶ機会を提供する、CSRの取り組みをご紹介
富士通コンピュータテクノロジーズが2011年より継続開催している家族向けの教室です。岩手県、岩手県立大学、一関高専との協力にて、地域密着型の支援体制で実施され、2017年7月までに1,200組を超える参加がありました。
株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ
代表取締役社長 福元芳朗 様 / 人材開発室 江口かおる様
活動の概要
小学校3年生~6年生のお子さんと保護者の方に一緒に参加いただく教室で、レゴでロボットを組み立てた後、プログラミングしてコースを走らせ、レースをしています。1回あたり14組まで参加でき、午前と午後、2回の実施です。
レースで速かったロボットの作者には賞品も用意していますので、とても盛り上がりますよ。
開催地は、協力いただいている岩手県との調整や、私どもの年間実施計画を元に、できるだけ多くの皆さんに参加していただけるよう考えて決定しています。
家族ロボット教室 実施回数と参加組数(2018年9月末時点)
実施回数 | 参加組数 | |
---|---|---|
2011年 | 1 | 16 |
2012年 | 10 | 161 |
2013年 | 10 | 236 |
2014年 | 10 | 236 |
2015年 | 10 | 215 |
2016年 | 13 | 267 |
2017年 | 9 | 221 |
2018年 | 11 | 226 |
合計 | 74 | 1,578 |
活動の背景
東日本大震災の後、瓦礫処理などの支援活動もありましたが、当社ならではの出来ることがあるのではないかと考え、その頃、会社で参加していたETロボコンで知り合った岩手県立大学や一関高専の先生方とも協力して、家族ロボット教室をやってみようと始めました。
震災復興としての家族ロボット教室は、岩手県を中心に宮城県や福島県にも活動を広げ、55回以上1,000組を超えるご家族の皆さんに参加いただいてきました。また、CSR活動としての家族ロボット教室は、事業所のある長野県や愛知県でも取り組んでいます。
現地で教室開催に携わる社員に加えて、社内で準備や片付けなどをサポートしてくれる社員も多く居ますので、社員の協力あってこそ継続できる活動だと感じています。
子どもたちへの想い
何よりモノを作る楽しさを実感してほしいと願っています。ロボットを組み立てて動かすことに加えて、コースを走らせ競走すること、自らの頭と手を使って工夫することを体験してほしいです。時にはレースに負けた悔しさで泣いてしまう子も居ますが、一番を目指して自分の力を尽くすことは充実感にもつながるのではないでしょうか。
家族ロボット教室を始めた2011年頃は、まだロボットやプログラミングというと遊びのイメージがありましたが、そうした中で、ものづくりを知ってもらうことを重視しました。また、家族で来ていただいて一緒に取り組むことで、ご家庭で話題を共有できる点も大切に考えています。参加する子どもたちには、いろいろな体験をすることで将来の選択肢を広げてもらいたいという思いもあります。
参加者の様子
ご家族で喜んでらっしゃる姿は、スタッフとしても本当に嬉しく思います。
ロボットの組立てやプログラミングで目を輝かせるお子さんを見て、親御さんが感動される様子もよく見られます。
アンケートでは「日頃できない体験ができた」といったお声をいただいています。
実施する際に気をつけていること
すぐに回答を教えずに考えてもらうようにしています。プログラミングの工夫に必要となるタイヤの回転数やパラメータ(変数)などの要素は伝えますが、自分たちで工夫してチャレンジしてもらうように手伝いすぎないことを意識します。
この教室では1~2組に1名のトレーナーを配置し、子どもの得意・苦手を見極めて、その子にあった対応を心がけています。トレーナーがきめ細かく対応できる体制を整えることで、参加者らに「難しかったけど楽しかった」と感じてもらえるように、レースを完走できる教室を目指しています。
今後の展望
震災復興としての実施はこれまで岩手県を中心に継続しており、宮城県や福島県でも取り組みを始めていますが、できれば開催地を広げていきたい思いがあります。また、事業所のある地域でも充実を図っていきたいと考えています。
活動が広がってほしい気持ちはもちろんですが、一方で、運営には人員や教室での学びを助けるノウハウも必要ですから、広がりには時間がかかるでしょう。
今後も行政や教育機関、関係先の皆さん、グループ各社に協力を得ながら、家族ロボット教室を続けていきたいです。
リンク
株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ
震災復興支援 家族ロボット教室
地域貢献活動 家族ロボット教室
受賞
「平成29年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰」科学技術賞 理解増進部門 受賞