小学校でのプログラミング教育必修化実施が4ヶ月後に迫る中、今後の日本、そして地方のプログラミング教育について考えるために「プログラミング教育の聖地“金沢”に向けて~やり方全部お見せします~」をテーマに金沢ITビジネスプラザ武蔵(石川県金沢市)にて『第5回こどもプログラミング・サミット in Kanazawa』が開催されました。
<アイスブレイクの様子>
開会式後、まず初めにアイスブレイクを行いました。当日、偶然同じテーブルに座った参加者同士で互いに自己紹介をします。初対面の相手と話し、場の空気がほぐれたところでパネルディスカッションが始まりました。
<パネルディスカッションの様子>
パネルディスカッションでは、プログラミング教育の普及・推進に努める民間企業、団体、行政と、多種多様なフィールドで活躍されている方々をゲストスピーカーに招き、それぞれの立場からプログラミング教育の現状について、報告や意見が出されました。
<山野氏の発表の様子>
トップバッターは石川県金沢市長の山野氏。
金沢市でのプログラミング教育の取り組みついてご紹介いただきました。独創的で卓越した知識・技能をもつ、「子どもみらいクリエイター」の育成に力を入れている金沢市では、金沢市プログラミング教育ディレクターを中心に「保護者・地域」「企業・大学」「学校」の三者協働によるプログラミング教育推進を行っていると話しました。また、石川・福井・富山の北陸三県でカニロボコンの全国大会を開きたいと今後の取り組みについても話しました。
<牧野氏の発表の様子>
続いて、福井県鯖江市長の牧野氏からは、鯖江市で行っているプログラミング教育の取り組みをご紹介いただきました。市内全ての小・中学校でプログラミングの部活動を実施している鯖江市では、現場の先生方にも一緒にプログラミング教育に取りくめる環境作りに力を入れており、2018年には小中学校の全ての教師を対象にした研修会を行うなどの取り組みを話しました。
<村瀬氏の発表の様子>
総務省の村瀬氏からは、地域ICTクラブやプログラミング教育の今後の方針についてご紹介いただきました。その中で、指導者の育成や確保が難しいという現状について触れ、子どもたちにどう教えていかなければならないのかが課題だと話しました。また、指導者不足、地域格差、所得格差による機会不均等のおそれといった課題を解決する上で学校現場だけでなく、自治体や産業界、家庭といった、地域社会全体で教育のサポートをしていくことが持続可能で革新的な取り組みではないかと話しました。
<小宮山氏の発表の様子>
スタディサプリ教育AI研究所所長の小宮山氏は、アフリカのルワンダでは小学生に1人1台のPC配布を行う等、ICT立国を目指していることについて紹介し、日本でも2019年11月12日に経団連よりPC・タブレットを1人1台整備することが盛り込まれた緊急提言が出されたことについてお話しました。関連して2018年に行われたPISAで、日本の読解力が低下したことについて「テスト方式がPCを利用したものに変更されたのが原因ではないか」と意見を述べました。
<利根川氏の発表の様子>
NPO法人みんなのコードの利根川氏は、プログラミング教育に対して実施していることとして、「人のアプローチ」(全国各地での実践的な研修)「テクノロジーのアプローチ」(オリジナル教材、授業案ポータルサイト)の2つを挙げた上で、現在加賀市で行っているコンピュータクラブハウスという「テクノロジー版の図書館」のような子供たちが集まってプログラミングを学べる場所を作る取り組みについてご紹介いただきました。
<松田氏の発表の様子>
最後に金沢市プログラミング教育ディレクターの松田氏からは、ICT活用についてご紹介いただきました。「アシスティブ」「アダクティブ」「アクティブ」というICTの3つの機能を生かした具体的な活動を行った方が面白いICT活用が出来るのではないかと話しました。また、GIGAスクール構想についても触れ、機材を配備するには学校がICT活用やフォローアップ等の計画書を提出する必要があるため多忙な教育現場は計画書の提出を先送りしてしまい、数年後に必要になった時に設備が不足する、という問題の発生可能性を示唆しました。
パネルディスカッションとその後の質疑応答では、様々な視点からプログラミング教育についての意見が飛び交い、日本の教育現場の現状と課題が浮き彫りになりました。
現状:2020年のプログラミング教育必修化がいよいよ迫る中、現場では予算が不足しており通信環境や機材の準備が出来ていない。地域によってプログラミング教育の取り組みに格差がある。現場の先生の中には、授業でプログラミングをどう扱えばよいのか分からず表面的な指導になっている人も多い。
課題:プログラミング教育に取り組みやすい教育現場にするには、首長や教育委員会が校長を動かし校長が現場の先生を動かすことが出来る環境や制度を作ることが必要である。
全体の結論として、機材や指導教員が実施にあたり不足していること・必要なことは現場から声を上げてトップに伝えるべき、トップも現場から声が上がった方が動きやすい、学校、国、民間企業・団体、地域がそれぞれ連携して教育現場をサポートし必修化に取り組んでいこう、というところでパネルディスカッションが終了しました。
続いてのグループディスカッションでは、テーマごとに6つのグループに分かれ、ゲストスピーカーと参加者が一つの机を囲み、これからのプログラミング教育について、グループ毎の視点から現在の問題点や解決方法について議論しました。どの参加者も積極的に議論に参加し、60分のグループディスカッションはあっという間に過ぎました。
<学校グループ>
松田孝 氏
<鯖江グループ>
福野泰介 氏
<民間企業グループ>
小宮山利恵子 氏
<来年なにやろうグループ>
利根川裕太 氏
<地域ICTクラブグループ>
村瀬剛太 氏
株式会社jig.jp 代表取締役社長の福野泰介氏がファシリテーターを務めたグループディスカッションの最後には、各グループから代表1名が登壇し、議論した内容をそれぞれ発表しました。
<学校グループ>
<鯖江グループ>
<民間企業グループ>
<来年なにやろうグループ>
<地域ICTクラブグループ>
・校長が先陣を切って取り組んでもメンテナンス作業は情報科の教員頼りになってしまう
・教育現場だけでは難しく、外部の人の協力が必要
・子どもがプログラミングを楽しめるかどうかが大切
・民間の資金のみで成立しているhana道場を全国に広げていきたい
・そろばん教室でhana道場(プログラミング教室)を実施出来るのでは
・学校で行われている部活や行事を民間企業が担当できないか
・学校でできないことを提案出来るのでは
・地域教育をCSR活動として行うのか、利益を出せる仕組みで行うのか
・子どもにプログラミングの楽しさだけでなく「なぜプログラミングをするのか」といった目的意識を伝えていきたい
・必要だから学んでいる、と子どもに伝えることが大切
・地域貢献として学校外の人が学校現場に参加したがっているが、学校から断られることも多い
・学校で教えられたことを超えて学びたい子どもの受け皿を作ることが大切
・学校との信頼関係の構築が必要
今回のサミットでは、2020年に向けてどうするかだけではなく、さらにその先の未来のプログラミング教育について全員が真剣に考える会となりました。それぞれが今後どう活動していけばいいのかを考え、行動に移し、こどもたちの未来が明るいものになることを期待します。
御後援関係 御中
御礼
御後援関係の皆様の日頃より私たちの活動へのご理解とご協力に対して、厚く御礼を申し上げます。
さて、去る2019年12月26日に開催いたしました「第5回こどもプログラミング・サミット in Kanazawa」につきまして、御後援関係各位のご支援、ご協力をお願いいたしましたところ、快くご賛同いただき、誠にありがとうございました。
お陰をもちまして、サミットは盛況のうち無事終了することができました。
これもひとえに皆様方からいただきました絶大なるご協力の賜物と心より感謝と御礼を申し上げます。今後とも変わらぬご厚情とご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
総務省北陸総合通信局 北國新聞社 北陸放送 石川県情報システム工業会
福井県教育委員会 石川県教育委員会 金沢市教育委員会 (順不同)
こどもプログラミング・サミット実行委員会
金沢市 株式会社アフレル 株式会社ナチュラルスタイル 株式会社jig.jp 株式会社ict4e 株式会社PFU 株式会社B Inc.
正規代理店
資料内容の無断転載、複製を禁じます。製作・著作 株式会社アフレル
© 2021 Afrel Co.,Ltd. All Rights Reserved.
© LEGO, the LEGO logo, MINDSTORMS and the MINDSTROMS logo are trademarks of the LEGO Group.
© 2021 The LEGO Group.
レゴ、レゴのロゴマーク、レゴ マインドストームは、 レゴグループの登録商標です。
Copyright 2021 Afrel Co.,Ltd.All Rights Reserved.