2017/9/17(日) WRO Japan 2017決勝大会が、東京・夢の島のBumB東京スポーツ文化館に開催されました。
14回目の今年は、7月~8月に開催された全国37地区の公認予選会を勝ち抜いてきた121チームが出場し、小・中・高部門で3つのカテゴリーにチャレンジしました。
台風が迫る中、今年はスケジュールを繰り上げての大会開催となりました。
開会式から会場は、選手と観客、スタッフの熱気で包まれていました。決勝大会の優秀チームは、11月に南米コスタリカで行われる国際大会への出場権を得ます。
競技開始の合図とともに、一斉に取り掛かる選手たち。
午前中のサプライズルールの発表・調整・車検が終了し、午後からついに競技が開始。
審判の合図とともに会場では歓喜や落胆の声が交差し、選手たちは熱戦を繰り広げていました。
レギュラーカテゴリーとは? 設定コースの課題をクリアしていく、自律型ロボットによる競技で、エキスパート競技と、そこへつなぐ位置づけのミドル競技があります。 競技大会当日にロボットを組み立て、会場にて発表されるサプライズルール(一部ルールの追加変更)のクリアに挑みます。 ミドル競技は、ロボットを作るために大事なライントレースや色の判断、つかむ機能といった基本技術を取り入れ、ロボット製作の初心者を対象とした競技です。 エキスパート競技では各部門ごとに課題が設定され、競技結果だけでなく、開発や活動のプロセスも評価します。
チームコーチ:NPO法人新発田科学技術教育ネットワーク事務局長 皆川孝 先生
3回目の国際大会出場ですが、初めて優勝して出場権を獲得できて大変嬉しく思っています。
今年の挑戦は、メンバー全員が中学校最後の年なので、3人で出たいと声をかけ、始まりました。3名とも受験生の為、メンバーが揃うことができない中、結果を出すことができたのは、全員が主体性を持ち、目標に向かい集中して取り組むことができたからです。
指導者としては「90秒を切る」という目標タイムを設定し、到達するために必要な改善ポイントを示しただけでした。そこから、選手たちが自分たちで考え、ロボットの重心位置を超信地旋回がしやすいように変更したり、使用するパーツ数を削減したりすることで安定した素早い走行が可能になり、目標タイムをクリアすることができるようになりました。
子どもたちの創造力を信じ、指導を行うことであらゆる可能性に挑戦することができます。コスタリカに向けてさらに頑張ってもらいたいです。
オープンカテゴリーとは?
事前に設定されたテーマについて、ロボットを作成・展示し、プレゼンテーションをします。
2017年のテーマは「サスティナビリティ(持続可能性)のためのロボットを作成せよ」プレゼンのビデオとレポートによって事前審査が行われ、選抜された14チームが決勝大会に出場します。決勝大会では、それぞれのブースに設営し、審判に対してプレゼンします。
チームコーチ:横田 理樹さん
チームは、3年生のリーダー1名と2年生2名のメンバー構成です。
大会のテーマが公開された後、どんな作品にするか、チームメンバーにて議論し、作品の方向性を決めます。今年の作品は、耳の聞こえない人とのコミュニケーションを円滑にする “手話通訳ロボット” です。大会までの製作は、チーム内で役割分担し取り掛かります。
音声をどのようにEV3に伝えるか、また、人の手に近い大きさにするための機構の工夫が難しく、生徒たちで試行錯誤をしながら工夫していきました。コーチとして、技術面ではJavaのプログラムの環境構築や文法の基礎を教えました。また、大会までに残された時間を逆算し、自分たちにできること、やらなければいけないことを常に考えるように指導しました。
大会直前に起きた不具合対応も、本番直前まで生徒たちで調整を続け、見事最優秀賞を受賞することができました。国際大会までにはさらにスムーズな会話ができるように調整していきたいです。生徒たちには大会でいい成績を残してほしいですが、自分たちのつくった “手話通訳ロボット” の魅力を世界に広めてほしいです。